基準値が高いと自分を苦しめるのか?完璧主義が人生の軸を狂わせる?

「もっと上を」と願う心の正体

私は昔から、何事にも「もう少しだけ上を目指したい」と思ってしまうタイプでした。
仕事でも勉強でも、誰かに褒められると「次はもっと」と欲張り、ミスをすれば「どうしてできなかったの」と自分を責めてしまう。
周りの友人たちが「まあ、これで十分じゃない?」と笑う場面でも、私はどこか満足しきれず、心の中に静かな不安が残ることが多かった気がします。

「基準値を高く持つのは大切なことだ」と世の中ではよく言われます。
たしかに、高い目標が自分を成長させるきっかけになることもあるし、努力して結果が出たときの喜びは、何ものにも代えがたいものです。
でも、一方で、目の前の自分を認められず、いつも「もっと、もっと」と自分に厳しくしすぎて、疲れてしまうこともある。

あなたは、目標や基準値を高く設定してしまうことがありますか? その時、自分の気持ちにどんな変化が起きますか?

高すぎるハードルが見えなくするもの

ある時、同僚と一緒に仕事を進めていたときのこと。
私は小さなミスが気になって何度も書類を見直し、「完璧じゃなきゃ」とつい力が入ってしまいました。
でも、ふと顔を上げると、隣の同僚は「もう大丈夫だよ、やり直せるし」と笑いながら、軽やかに仕事を終えている。

「自分の基準値を下げる」という発想が、私にはなかなかできませんでした。
どこかで「これくらいで満足したら、きっと怠けてしまう」と思い込んでいたから。
でも、その日同僚と話すうちに、「完璧じゃなくてもいいのかもしれない」という気持ちが、心の中にふっと生まれたのです。

高い基準値を自分に課すことは、確かに大切な場面もあります。
けれど、常に100点満点を目指し続けてしまうと、自分自身の「小さな成長」や「できたこと」に気づけなくなることもある。
一歩進んだ自分を褒めてあげることができなくなると、気がつけば「できなかったこと」ばかりが心に残ってしまうのです。

あなたは、自分の成長や変化に気づけていますか? それとも、まだ足りないことばかりが目につくでしょうか。

「理想」と「現実」の間で揺れる心

帰り道、ふと空を見上げながら考えました。
「どうして私は、こんなにも自分に厳しくしてしまうのだろう」と。
理想を持つことは、人生に張りを与えてくれる。
けれど、その理想が高くなりすぎて、現実の自分と大きなギャップを感じると、時に心が苦しくなってしまう。

小さなミスや失敗さえも、「私には向いていないのかもしれない」「もっと頑張らないと」と自分を責める材料にしてしまう。
けれど、よく考えてみれば、誰もが完璧ではないし、どんなに頑張っても思い通りにいかない日もある。
むしろ、「できなかった自分」を責めるより、「今日もちゃんとやった自分」を少しでも認めてあげることが、心の健康には大切なのかもしれません。

あなたは、理想と現実の間で揺れ動く自分に気づくことはありますか? そんな時、どうやって気持ちを落ち着かせていますか?

基準値を下げることは“甘え”なのか

「もう少し気楽にやってもいいんじゃない?」
親しい友人や家族から、そう言われたことが何度もあります。
でも、「それって自分に甘えているだけなんじゃないか」と不安になることも正直ありました。

けれど最近、基準値を少し下げてみることで、「こんな私でもいいんだ」と思える瞬間が増えてきました。
仕事で完璧を目指すより、「大きな失敗さえなければ十分」と考えてみたり、趣味の時間を少しだけ増やしてみたり。
誰かと比べるのではなく、「昨日よりもほんの少し進んだ自分」を認めてあげること。
それが、心をふっと軽くしてくれることに気づいたのです。

「頑張ること」と「自分を大切にすること」は、きっと両立できるのだと思います。
たまには「これくらいでよし」と自分を甘やかしてみても、誰も責めたりしない。
むしろ、その“ゆるさ”が次への元気になることも多いのではないでしょうか。

あなたは、どんな時に「少しだけ自分を甘やかしてもいい」と思えますか? それはどんな場面ですか?

“私らしい基準”で生きていく

最後に、私は自分にこう問いかけてみました。
「高い基準値は本当に自分のためになっているのか?」
ときにはそれが原動力になるけれど、ときには自分を苦しめてしまうこともある。
きっと大事なのは、「誰かが決めた基準」ではなく、「今の自分にちょうどいい基準」を見つけることなのだと思います。

たとえば、疲れた日は「とにかく今日を生き抜いた」だけで合格にしてあげる。
少し余裕がある日は「もう一歩だけ進んでみる」と背中を押してみる。
その日その日で、“私らしい基準”を自分の中に持つことが、心をやわらかく守ってくれるのかもしれません。

高い目標や夢を持つことを否定する必要はありません。
でも、そのために「今ここにいる自分」まで否定してしまったら、心がもったいない。
小さなできごとや、昨日より少し成長した自分に、静かな拍手を送ってあげましょう。

あなたも、もしかしたら「基準値が高い自分」に少し疲れているかもしれません。
どうか、ときには自分をゆるめて、「これで十分」と微笑んであげてください。

今日の私は、自分なりのペースで進めたことを、そっと認めてあげたい。
それが、これからの日々をやさしく照らしてくれる気がするのです。

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