仕事に向かう足取りが重い日は、ちゃんと生きている証拠

毎朝見るバラが咲いた。そんな通勤時間の光だった。

重たい朝の玄関、心の小さな違和感

今朝もまた、目覚ましの音が頭の奥で響くように感じながら、布団から身を起こしました。窓の外には、まだぼんやりとした曇り空。深呼吸をしてみても、胸の奥の重たさは消えてくれません。そんな日、私の足取りはいつもよりずっとゆっくりになります。

ドアノブに手をかけて、ため息を一つ。玄関の外に一歩を踏み出すその瞬間、「今日は、どうしてこんなに身体が重いのだろう」と、つい自分に問いかけてしまいます。仕事が嫌いなわけでも、苦手な人がいるわけでもない。ただ、理由もなく心が曇ってしまう日が、時々やってくるのです。

あなたにも、そんな朝はありませんか? 特別な理由もなく、玄関を出るのがひときわ億劫に感じる。そんな自分に少しだけ情けなさを覚えたり、それでも無理やり歩き出したり。小さな違和感が心の端に残ったまま、駅へと向かう道を歩いていきます。

歩くたび、ひとつひとつ自分に戻る時間

駅へと向かう道すがら、私はよく自分の歩き方に意識を向けます。右足、左足、と交互に地面を踏みしめていく。その繰り返しが、まるで自分に「大丈夫だよ」と静かに語りかけてくれるようです。

重たい気持ちを抱えたまま歩いていると、不思議と心の中が整理されていきます。歩くことで、モヤモヤとした思考がすこしずつ晴れていく。信号待ちで空を見上げると、分厚い雲のすき間から一筋の光が差し込んでいました。その光は、まるで「今日という日にもきっと良いことがあるよ」と、さりげなく背中を押してくれる気がします。

ふと、すれ違う人々の表情に目をやります。笑顔の人もいれば、私と同じように沈んだ表情の人もいます。誰もが何かしらの想いを抱え、足を前に運んでいるのだろうな――そんな風に感じます。みんな、自分なりのペースで、今日を歩いているのでしょうか。

あなたは、仕事に向かう途中でどんなことを考えていますか? 歩くという単純な行為のなかで、思いがけず心の整理がつくことはありませんか。

足取りの重さが「今」を感じさせてくれる

会社のビルが見えてくるころ、私は少しだけ気持ちが軽くなっていることに気づきます。心の中の重たいものは、完全には消えないかもしれないけれど、「いまここ」に自分が立っている感覚が確かにあります。

誰かとすれ違うこと。季節の空気を肌で感じること。通り過ぎる自転車や、遠くで聞こえる子どもたちの声。日々の生活のなかで、何気ない瞬間がじわじわと心を満たしてくれる。歩くことで「ちゃんと生きている自分」に、そっと気づかされることがあります。

仕事に向かう足取りが重い日は、むしろ自分の心と丁寧に向き合えている日なのかもしれません。何も感じないふりをするよりも、時には立ち止まって、自分の気持ちに正直になることも大切なのだと思います。

あなたは、心が重たい朝に、自分の感情とどう向き合っていますか? 無理に元気を出そうとせず、そのままの自分でいる時間を持てていますか?

誰にも見えない「小さな勇気」が積み重なっていく

会社に着いてからも、重さがふっと消えるわけではありません。それでも私は、出勤してきた自分に「今日もよく来たね」と心のなかで声をかけます。誰かに褒められなくても、自分自身にだけは小さな拍手を送りたい。重たい足を動かし続けることも、立派な「勇気」なのだと思うからです。

机に向かいながら、窓の外を見上げると、朝よりも少しだけ明るい空が広がっていました。「今日はどんな一日になるだろう」と思いながら、静かに仕事を始めます。周りの人たちも、それぞれの思いを抱えながら、同じように一日を始めているのでしょう。

誰かに見せる必要も、無理に頑張っている姿を演じる必要もありません。重たい足取りであっても、「生きている証拠」として、そっと大切にしてあげたい。日々の中で自分をいたわることが、また明日へとつながる力になるのだと信じています。

あなたも、もし今朝の足取りが重かったのなら、「それでも歩き出した自分」を静かに認めてあげてください。小さな勇気が、きっと明日を少しだけ優しくしてくれるはずです。

静かな前向きさの中で、今日を歩く

「仕事に向かう足取りが重い日」は、誰にでも訪れるものです。そんな日こそ、自分自身を大切にするチャンスなのかもしれません。完璧でなくてもいい、元気でなくてもいい。心の重さを抱えたままでも、歩いているその一歩が「ちゃんと生きている」証。

いつか、今日のこの朝も懐かしく思い出す日が来るのでしょう。足取りの重さも、心の揺らぎも、そのすべてが私という人間の証しです。だからこそ、静かに自分を労いながら、また一歩前に進んでいきたいと思います。

あなたも、重たい朝に優しい眼差しを向けてみませんか。静かな前向きさの中で、今日という一日をそっと抱きしめてあげましょう。

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